環境やお財布にやさしいだけでなく、室内空間を快適に保つことができるZEB。

オーナーや従業員が働きやすくなることはもちろん、顧客満足度が高くなる効果も見込めます。

補助金が出るため、ZEBを建てることによって通常より建築コストを抑えることもできるかもしれません。

これからオフィスや病院、公共施設などを建築あるいは改修するのであれば、ZEBを導入するかどうか必ず検討するべきでしょう。

この記事では、「そもそもZEBとは何か」から「導入するメリット」について解説していきます。

ZEBを導入する前に知っておきたい注意点も紹介していきますので、ぜひ最後まで読んで失敗しないように気をつけてください。

ZEBとは何かをわかりやすく解説!

ビル

ZEBは、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略称で、読み方はゼブです。

高性能な断熱材や設備によって省エネルギー化しつつ、太陽光発電パネルなどの再生可能エネルギーの活用によって、エネルギー収支ゼロを目指した建築物になります。

省エネ + 創エネ = エネルギー収支ゼロ

ZEBのポイントは、快適な室内環境を保ちながらエネルギー収支ゼロを目指すという点です。

例えば、省エネのために高性能な断熱材や複層ガラスなどを取り入れることは、室内温度を快適に保ったり、室外からの騒音を遮断したりするメリットがあります。

エネルギー収支ばかり気にして、室内環境を疎かにしないことがZEBを建てるうえで大切です。

ZEBの定義は?どのような基準で認定されるの?

標準的な建物と比べてどのくらいエネルギー消費量を削減できるかによって、以下の3段階のZEBに分けられます。

ZEB エネルギー消費量を0%以下まで削減
Nearly ZEB エネルギー消費量を25%以下まで削減
ZEB Ready エネルギー消費量を50%以下まで削減

それぞれ省エネだけで基準一次エネルギー消費量から50%以上、削減していることが前提になります。

つまり創エネをどれだけ増やせるかによって、認定されるZEBが異なるということです。

参照元: ZEBの定義 | 環境省「ZEB PORTAL – ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ゼブ)ポータル」

設計ガイドラインが公開されている

消費エネルギーの削減といっても、どうすればいいのか分かりませんよね。

環境共創イニシアチブ(SII)が、建物の種類別に設計ガイドラインを公開しています。

公開されている建物の種類

  • 事務所
  • 老人ホーム・福祉ホーム
  • スーパーマーケット
  • ホームセンター
  • 病院
  • 学校
  • ホテル

ZEBを達成するための方法や設計事例などが書かれていますので、ダウンロードして参考にしましょう。

ZEHとの違いは?

ZEBと似たようなものに、ZEHがあります。

ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、ゼッチと読みます。

エネルギー収支ゼロを目指した建物である点は同じですが、名前にハウスとあるように、ZEHは一般的な住宅を指します。

ZEB 事務所やホテルなど
ZEH 居住用の家

ZEHについて詳しく知りたい人は、「ZEHとは?導入した方がいいケース・しない方がいいケースをわかりやすく解説」の記事も合わせてご覧ください。

では、エネルギー消費の少ないZEBを建てることによって得られるメリットについて、詳しく解説していきます。

ZEBを建てる4つのメリット

ビル

ZEBを導入することによるメリットは、以下のとおりです。

  • 光熱費が安くなる
  • 快適な室内環境を作れる
  • 地球温暖化防止に貢献できる(ブランドアピールにもなる)
  • 地震などの災害時への備えになる

一つずつ詳しく解説していきます。

省エネだから光熱費が安くなる

照明をLEDにしたり、給湯機器をエコキュートにしたりして省エネルギー化を実現すると、光熱費を大幅に抑えることができます。

これまでのZEBの事例を見てみると、平均して4〜5割の削減に成功しています。

例えば現在の光熱費が1,500万円だった場合、600〜750万円もの節約になるということです。

室内空間の快適性を向上できる

外皮性能の強化によって空調機器のエネルギー効率がよくなるため、外気温度に左右されず、快適な室内温度を保つことができます。

夏は涼しく、冬は暖かい室内環境を実現できるということです。

また複層ガラスなら快適環境を保ったまま窓を大きくすることもできますし、遮音・防音性もあるので騒音対策にもなります。

知的生産性も上がる

国土交通省住宅局の知的生産性研究委員会の研究結果から、快適な室内環境は従業員の知的生産性が向上することもわかっています。

事業能率が上がれば利益も上がるので、会社はより活性化していくでしょう。

環境にやさしいから地球温暖化防止に貢献できる

環境にやさしいZEBを建てることは、地球温暖化防止への貢献になります。

そもそも地球温暖化の原因を生み出してしまったのは私たち人間なのですから、少しでも地球環境に配慮して会社を運営することは、経営者の使命とも言えるかもしれません。

地球環境のために個人ができることは少ないですが、企業として取り組めば、その効果はばかにできません。

地球温暖化問題の解決へ取り組んでいる会社として地域にアピールできるため、ブランドイメージが向上するメリットもあります。

災害時の対応力が向上する

ZEBは、標準の建物に比べて地震などの災害時に対応する力が高くなります。

その理由は、以下のとおりです。

  • エネルギー消費量が少ないから事業を継続しやすい
  • 室内温度が変化しづらいから快適な環境を維持できる

災害時は、停電になったり電力不足になってしまったりします。

エネルギー消費量を抑えて運営しているZEBなら、少ないエネルギーでも機器を動かせるので、損害を最小限に抑えることが可能。

また断熱性能が高いため室内温度が変化しづらく、空調機器が使えなくなっても、しばらく快適な室温を保つことができます。

真夏に電気が止まってしまった場合、従業員などの熱中症が心配されますが、そのリスクが少なくなるということです。

参照元: 建築物のZEB化推進に向けた取組ー環境省・経済産業省・国土交通省

ZEBは環境にもお財布にもやさしいことが分かったと思います。

さらに、補助金をもらいながら低コストでZEBを建てられるのですから、検討しないのは本当に勿体ないですよね。

補助金を活用すれば低コストでZEBを建築できる

お金

ZEBを建てる場合、環境省や経済産業省、国土交通省がおこなっている補助金制度を利用することができます。

補助金制度の詳細は、以下のとおり。

対象物件 補助額の上限
公共施設・民間建築物(2,000㎡未満) 3億円(補助対象費用の2/3まで)
公共施設・民間建築物(2,000㎡以上) 5億円(補助対象費用の2/3まで)

補助対象費用

  • 設計費
  • 設備費(断熱、空調・空調、換気、照明など)
  • 工事費

BELSを取得していることが申請の条件

BELSを取得している物件であることが、補助金制度を利用するための条件となっています。

BELSは、建築物省エネルギー性能表示制度のことで、エネルギー消費性能を第三者認証マークとして表示する制度です。

一次エネルギー消費性能と外皮断熱性能を5段階で評価され、ランク付けされます。

BELSを取得するとオフィスなどに第三者認証マークを飾れるので、省エネ性の高い建物であることをアピールできるメリットもあります。

注意!申請したからといって認証してもらえるとは限らない

注意しなければならないのが、補助金をもらうためにZEB実証事業として申請しても、必ずしも認証してもらえるとは限らないという点です。

環境共創イニシアチブ(SII)の公式ホームページに、申請件数と実際に交付された件数について記載されていましのたで参考にしてください。

予算 件数
交付申請件数 約15億円 35件
交付決定件数 19件

35件のうち16件は、認証してもらえなかったことが分かります。

予算がなくなってから応募すると、このように補助金制度を利用できない可能性がありますので注意してください。

実際にZEBを導入した事例が知りたい!

ZEB実現した企業の事例は、以下の方法で知ることができます。

建物の用途や規模によって、ZEB実現のポイントは異なります。

自分が建てたいZEBの条件に近い事例を探して、参考にしましょう。